Reminiscence -追憶-

愛してはいけない人 愛されてはいけない人

32 顧問⑤

廊下にも強い光が差し込む。

久しぶりの晴天。

 

 

 

「本田!」

 

 

美輝を呼ぶ声。

 

 

振り向くと城谷先生が歯を出して笑っている。

 

 

 

白い歯。

 

 

 

 

光が眩しい。

 

 

 

「城谷先生。どうしたんですか?」

 

 

「どうしたもこうしたもこれから本田のクラスの授業ですよ。予習はバッチリだろうね。」

 

 

 

美輝はバツが悪そうに城谷先生から目をそらす。

 

城谷先生は続ける。

 

 

「そういや本田、球技大会委員も一緒よな。何係になった?」

 

「装飾係です。」

 

「俺装飾係の担当だよ。」

 

「そこまで一緒なんて。うへー。」

 

「それは失礼だろ。」

 

城谷先生はまた真っ白な歯を見せる。

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