60 面談①
高校入学して初めての中間試験。
予想通り英語は最悪。
そして担任面談週間。
職員室で柏先生との面談が始まる。
「宮沢、この前の中間テストどうだった?」
「英語が悪いですね。」
「悪いって言うか、終わってるね。」
笑顔でキツイことを言う。
刀の花びらを持った花。
そんな感じ。
「部活に出せない点だよ、これ。進路はどう考えてる。」
高校に入学したばかりでまた進路のこと。
忙しい。
「とりあえず大学には行こうと思っています。」
「そう。学部は。」
「理系に行こうと思っています。」
「理系でも英語は必要だよ。」
ガラッ。
「あ、ちょうどいいところに。ちょっと、城谷先生。」
「はい、なんですか。」
城谷先生が面談に入ってきた。
「城谷先生って、もともと理系志望だったんですよね。宮沢に話してあげてもらえませんか。英語が壊滅的なんで。なんで志望変更したのかも含めて。」
「はい、了解です。」
「じゃあよろしくお願いします。」
担任面談が終わった。なんとあっさり。
白い歯を出して笑う城谷先生。
「宮沢さん英語苦手なのな。点数見てびっくりしたよ。」
「苦手なのやっぱり気づいてますよね。」
「当たり前だろ。俺が点付けてるんだから。」
「はは。先生は理系志望だったんですね。なんで英語の先生になったんですか。」
城谷先生はにやっと笑った。