Reminiscence -追憶-

愛してはいけない人 愛されてはいけない人

66 暑中見舞い③

夏休み。

 

 

夏休みと言っても美輝も私もほとんど学校で部活がある。

 

 

 

夏は普段の練習よりもとびきりきつい。

暑いしのども渇く。なによりも汗が尋常ではない。

体力の消耗は著しい。

 

 

毎日会うが、部活の先輩にも顧問の先生にもそして城谷先生にも暑中見舞いを出した。

 

 

 

暑中見舞いへの返事が来た。 

 

柏先生からは夏らしい、うちわと風鈴が書かれているいかにも真面目そうな葉書。

 

 

城谷先生からはハイビスカスのついた可愛い暑中見舞い。

 

 

 

アオイ科のハイビスカス。

 

城谷先生にハイビスカスの話をしただろうか。

 

 

 

部活の帰り美輝と先生から来た暑中見舞いの話になった。

 

 

 

 

「ねえ、梓葵、先生から暑中見舞いの返事来た?」

 

「うん来たよ。柏先生の暑中見舞い、真面目って感じだったよね。」

 

「ほんとほんと。ザ真面目。てか城谷先生の葉書みた?超ウケたんだけど。」

 

 

 

面白いところなんてあっただろうか。

 

大きなハイビスカスが描かれている葉書。

 

「ハイビスカスの葉書?」

 

「え?なんか変なキャラクターが描かれてるやつ。」

 

「ん?」

 

「え?」

 

 

 

次の日私たちは城谷先生からの暑中見舞いを持って来て見比べることにした。