Reminiscence -追憶-

愛してはいけない人 愛されてはいけない人

69 球技大会②

それから私は何かと職員室に行くようになった。

 

 

ノートを提出しに行ったらパソコンとにらみ合う城谷先生を一瞥する。

 

 

部活のことで柏先生に呼ばれた時も城谷先生の席に目を向ける。

 

城谷先生はいなかった。

 

 

「宮沢ってさ、城谷先生のこと好きだよね。」

 

 

空気が止まった。

殴られたような感覚。

 

 

柏先生がなんと言ったのか理解できなかった。

 

 

「違います。」

 

 

そういうのが精一杯。

 

 

「いいよ隠さなくて。そんだけ見てたらみんな分かるって。」

 

「見てません。」

 

柏先生は鼻でふっと笑う。

 

「まあいいや。それで宮沢の成績が上がるならね。」

 

 

 

 

蝉の嫌な声。

 

夏休みが終わった。