Reminiscence -追憶-

愛してはいけない人 愛されてはいけない人

82 先生との電話②

近々会おうと言ったもののなかなか互いに予定が合わない。





土日は基本的に部活。城谷先生も仕事が多い。




日程が決まらない中でも城谷先生は必ず 二週間に一回は電話をくれる。


勉強はどうだ、部活はきつくないか。体調は崩していないか。



いつも城谷先生は気遣いの言葉をかけてくれた。




そんなとき初めて携帯電話を買ってもらった。
今まで欲しがらなかった携帯。
特に電話をかける相手もいなかったしメールをする必要もなかった。
頼みに頼んでやっと買ってもらえた携帯電話だった。



いつも電話は城谷先生がかけてくれている。電話代を気にしてくれる。
タイミングが合わず電話に出られないこともあった。



この時はすぐに城谷先生に電話し、携帯を買ったことを真っ先に報告した。


「おお、ついに買ってもらえたのか。いいねぇ。せっかくだからメールするか。それのが連絡取りやすいだろ。アドレス教えるよ。」




初めての携帯電話に初めてのアドレスを登録したのは先生だった。

先生とのメールが始まる。