Reminiscence -追憶-

愛してはいけない人 愛されてはいけない人

85 バレーボール①

ついに部活が休みの日ができた。

 

 

城谷先生にメールする。

 

 

 

『ついに休みがきまりました。来週の日曜日、城谷先生空いてますか。』

 

 

 

先生の都合が合えばいいなと願いながらメールが届くのを待つ。

 

 

 

 

すると携帯の電話が鳴った。

 

 

 

 

 

 

「もしもし。宮沢さん。」

 

 

城谷先生からの電話。

 

 

電話が来ると思わず、心の準備が出来ていない。

 

 

「もしもし。城谷先生ですか。」

 

 

驚きで声がうわずる。

 

 

「そう。元気か。」

 

「はい。城谷先生も元気ですか。」

 

「元気ですよ。ってアントニオ猪木かよ。」

 

 

 

思わず笑いあう。

 

 

「俺今バレーボールチームに入ってるんだよ。それでその練習が来週の日曜日なんだけど。」

 

 

予定が合わなかった。

また会えるのは先延ばし。

 

 

「練習ですか、いいなあ。楽しそう。じゃあまた休みが出来たら言います。」

 

「それなんだけどさ、宮沢さん、もしよければ練習来ないか。」

 

 

 

予想していなかった返答。

 

 

 

「いいんですか。行きたいです。」

 

 

「そうか、良かったよ。休みの日までバレーボールしたくないって言われるかと思った。詳細はメールするから。しっかりしごいてやるから楽しみにしとけよな。」

 

 

「しごきはやめてください。それじゃあまた日曜日に。」

 

 

「おう、じゃあな。」

 

 

 

電話を切った途端嬉しさがこみ上げた。